平尾 浩一
- 専門分野
- 高分子、分子構造解析
- 技術支援
- 赤外分光分析などによる有機化合物の構造解析、熱分析などによる物性評価、その他高分子などの有機材料に関すること
研究テーマ
プラスチックの濡れ性に関する研究
- 期間
- 平成26~平成29年度
- 概要
- 熱可塑性樹脂(加熱により軟化する高分子)は成形コストが安価であり、大量生産に適している。中でもポリプロピレンは、耐熱性が100℃を超え、化学的にも安定で、安価な熱可塑性樹脂の1つであるため幅広い用途で大量に使われている。しかし表面の濡れ性が低いことから塗装、印刷・接着等各種用途で使用するためには表面改質が求められいる。従来から各種方法で表面改質が行われているが、複雑形状、耐熱性、環境対応、工業生産対応等の課題であった。そこで、親水性の樹脂を混練するだけでポリプロピレンの濡れ性を大幅に改善する手法を開発した。
研究テーマ
マイクロ波を用いたポリ乳酸の合成
- 概要
- ポリ乳酸は代表的なバイオベース材料である。ポリ乳酸は植物由来の原料を用いているが、その合成には多くのエネルギーが必要である。そこで、ポリ乳酸の合成を効率的に行うために、マイクロ波を用いてポリ乳酸の直接合成(乳酸からポリ乳酸を脱水重縮合すること)を試みた。反応時間、反応中の容器の圧力、反応温度を変えてポリ乳酸の合成を行ったところ、いずれの条件においても通常のオイルバスを用いて加熱したものよりも高分子量のポリ乳酸が得られたことから反応速度を上げるためにマイクロ波が有効であることを示した。一方、マイクロ波を照射したときには通常の加熱と比べてラセミ化(L-乳酸のユニットがD-乳酸へと転移すること)が進み易いことも分かった。ラセミ化を防ぐためには圧力を下げることが有効であることも分かった。