山本 典央
- 専門分野
- EMC・電磁環境適合性、マイクロ波計測、高周波回路、固体電解質向けインピーダンス測定、アナログ回路
- 技術支援
- 担当機器:電波暗室、放射エミッション測定、放射イミュニティ試験、静電気放電試験器等EMC試験機器全般、固体電解質向けインピーダンス測定系の構築および測定確度の検証
研究テーマ
固体電解質特性評価用インピーダンス測定標準デバイスの開発
- 期間
- 令和3〜7年度
- 概要
- 全固体電池用固体電解質のインピーダンス測定で使用する標準デバイスの開発
- 実績
- ・令和3年 第62回電池討論会にて「固体電解質のインピーダンス測定に及ぼす要因3」(3E20)を発表(株式会社クオルテックと共著)
・令和4年 第63回電池討論会にて「ポテンショスタットを使用しない実電池(LIB等)の交流インピーダンス測定法の提案」 (3C17)を発表(株式会社クオルテックと共著)
・インピーダンス測定における測定系の正確さを評価するための測定標準デバイスに関する特許を取得「発明の名称:インピーダンス測定のための標準試料」【特許第7240669号】[登録日:令和5年3月8日](株式会社クオルテックと共有)
・令和5年 第64回電池討論会にて「ポテンショスタットを使用しない実電池(LIB等)の交流インピーダンス測定法の提案-2」 (3A20)を発表(株式会社クオルテックと共著)
外部発表等
学会等
- 第62回 電池討論会「固体電解質のインピーダンス測定に及ぼす要因3」(3E20)発表スライド(ダウンロード)
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【概要】インピーダンス測定において、インピーダンスアナライザ「Solartron 1260A」のみを使用した場合(=専用機)と、ポテンショ/ガルバノスタット「Solartron 1287A」とインピーダンスアナライザ「Solartron 1260A」を組み合わせた場合(=併用型)で同一試料を測定し、測定器のタイプ(専用機,併用型)が測定結果に及ぼす影響について調べたものです。併せて、専用機とポテンショ/ガルバノスタットの内部回路および測定ケーブルの配線方法等の根本的な違いや注意点等についても掲載しています。
- 第63回 電池討論会「ポテンショスタットを使用しない実電池(LIB等)の交流インピーダンス測定法の提案」(3C17)発表スライド(ダウンロード)
- 【概要】多くのインピーダンスアナライザは起電力を有する電池等のデバイスの測定は、その仕様の制限により不可能です。そこで、インピーダンスアナライザで電池の測定を可能にするために市販のDCブロック(直流阻止用デバイス:直列にコンデンサが実装されたもの)を使用し、その場合の測定可能範囲を検証した結果、低周波数側で不十分であることが分かりました。そのため、1Hz以下の測定を可能にするための新たなDCブロックを開発するとともに、そのDCブロックを使用して100mHz~100MHzの電池のインピーダンス測定を可能とするインピーダンス測定方法の提案を行いました。併せて、様々な電池のインピーダンス測定結果についても発表を行いました。
- 第64回 電池討論会「ポテンショスタットを使用しない実電池(LIB等)の交流インピーダンス測定法の提案-2」(3A20)発表スライド(ダウンロード)
- 【概要】電池のインピーダンス測定を正確に行うためには1Ω以下を高精度に測定する必要がある。そこで、電池等の被測定物の表面に電圧端子及び電流端子を独立して接触させて測定する方法(真の四端子対)を採用し、1Ω以下の測定確度について調べた結果について発表しました。また、真の四端子対を用いて、複数種の電池のインピーダンス測定結果についても発表したました。なお、低周波数における測定可能範囲の拡張を目指し新たにDCブロックを開発し、それによる低周波数側の測定可能範囲の拡張についても掲載しています。
- 【技術資料】単結晶固体電解質のインピーダンス測定(ダウンロード)
- 【概要】単結晶固体電解質を用いて、試料表面に形成する電極サイズがインピーダンス測定に及ぼす影響について調べた実験結果および考察です。この実験により、正しいインピーダンス測定を行うためには、試料表面の全面(=余白無)に電極を形成する必要があることを定量的に明らかにしました。
研究テーマ
リチウムイオン二次電池用固体電解質の特性評価に関する研究
- 期間
- 平成24~令和2年度
- 概要
- 全固体リチウム二次電池用固体電解質の特性評価で必要となる高周波数帯域まで測定可能なインピーダンス測定治具および測定システムの開発。
- 実績
- ・平成26年度NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)委託事業「新エネルギーベンチャー技術革新事業/新エネルギーベンチャー技術革新事業(燃料電池・蓄電池)/全固体電池・燃料電池向け固体電解質の交流インピーダンス測定治具・システムの開発」に採択(株式会社クオルテックとの共同研究)
・平成27年 第56回 電池討論会にて「固体電解質に適した交流インピーダンス測定治具および測定システムの開発」(2F01)を発表(株式会社クオルテックと共著)
・第8回オートモーティブワールドに「固体電解質に適したインピーダンス測定システム」を出展(株式会社クオルテックのブース)
・平成28年 第57回 電池討論会にて「固体電解質に適した交流インピーダンス測定治具および測定システムの開発2」(3G06)を発表(株式会社クオルテックと共著)
・平成28年 第57回 電池討論会にて「500℃超での高精度測定が可能な交流インピーダンス測定システムの開発」(3F18)を発表(株式会社クオルテックと共著)
・ビジネス・エンカレッジ・フェア2017に「固体電解質向けインピーダンス測定システム」を出展
・書籍「全固体電池のイオン伝導性向上技術と材料、製造プロセスの開発」(出版社:株式会社技術情報協会)の12節「固体電解質のACインピーダンス測定時の注意点」を執筆(株式会社クオルテック・中島稔氏および滋賀県工業技術総合センター・平野真との共著)
・2018年電気化学秋季大会 ランチョンセミナーにて『固体電解質のインピーダンス測定を行うための基礎知識と注意点』を講演。
・産業技術支援フェア in KANSAI(2019年7月17日開催)に「固体電解質向けインピーダンス測定システム」および「標準RC回路」を出展
・電気化学会 関西支部 第59回電気化学セミナーにて「固体電解質向け広い周波数帯域でのインピーダンス測定 ~測定器の立場から見た要望・制約にも言及~」を講演
・令和元年 第60回電池討論会にて「固体電解質のインピーダンス測定に及ぼす要因」(3F07)を発表(株式会社クオルテックと共著)
・インピーダンス測定システムおよび測定方法に関する特許を取得「発明の名称:測定システムおよび測定方法」【特許第6675679号】[登録日:令和2年3月13日](株式会社クオルテックと共有)
・令和2年 第61回電池討論会にて「固体電解質のインピーダンス測定に及ぼす要因2」(2E16)を発表(株式会社クオルテックと共著) - 参考
- 2018年 電気化学秋季大会ランチョンセミナー『固体電解質のインピーダンス測定を行うための基礎知識と注意点』配布資料(ダウンロード)
- 工業技術総合センター広報誌 テクノネットワークNo.127「【研究紹介】固体電解質向けインピーダンス測定システムの開発」(ダウンロード)
外部発表等
学会等
- 第57回 電池討論会「固体電解質に適した交流インピーダンス測定治具および測定システムの開発2」(3G06)発表スライド(ダウンロード)
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【概要】1つの測定治具と2台のインピーダンスアナライザを使用して、10mHz~100MHzまでの広い周波数帯域のインピーダンス測定をボタン1つで可能にした測定システムの開発について発表したものです。使用するインピーダンスアナライザは、低周波数側(10mHz~10MHz)は「Solartron 1260A」、高周波数側(100Hz~100MHz)は「Keysight 4294A」または「Keysight E4990A」のいずれかを選択可能。低周波数および高周波数の2台のインピーダンスアナライザの切替には、PC制御により4本の同軸ケーブルを一括して切換可能な自動切換装置を新たに開発。さらに、Keysight 4294A及びE4990Aに必須となるケーブル長校正やオープン/ショート/ロード校正の実行が可能な制御ソフトウェアも併せて開発。なお、測定治具はセラミックヒータを内蔵しており、最高300℃まで昇温可能。また、測定治具外部を冷却することにより-50℃までの測定に対応。
- 2019年 産業技術支援フェア in KANSAI 配布資料「固体電解質向けインピーダンス測定システム」(ダウンロード)
- 【概要】
- かんさいラボサーチ 成功事例紹介「ふたつの異なる測定器を使い バルク抵抗と界面抵抗の分離を可能に!」
- 【概要】
- 第60回 電池討論会「固体電解質のインピーダンス測定に及ぼす要因」(3F07)発表スライド(ダウンロード)
- 【概要】インピーダンスアナライザ「Solartron 1260A」及び「Keysight E4990A」を使用して、測定ケーブル(同軸ケーブル)の外部導体の接続方法の違いによる測定値の差異について調べたものです。インピーダンスアナライザの場合、同軸ケーブルの外部導体は単なるシールド線としての働きだけではなく「電流帰還経路」として重要な働きをするためのものであり、使用する4本の同軸ケーブルの外部導体は測定治具側で共に接続しておくことが必須です。なお、標準試料として、標準RC回路(100Ω-6.8kΩ//68pF)及び標準抵抗器(1Ω,10Ω,100Ω,1kΩ,10kΩ,100kΩ,1MΩ)を開発し、それらを使用して異なる外部導体の接続方法によって正しく測定可能な範囲が異なることを検証した結果についても掲載しています。
研究テーマ
超低EMIディスプレイシステムの実用化、および商品化(株式会社テクナートとの共同研究)
- 期間
- 平成26~28年度
- 概要
- 放射電磁界(Electro-Magnetic Interference: EMI)強度をEMI測定系暗ノイズ程度に抑えたスペクトラムアナライザ画面表示用ディスプレイの実用化および商品化。
- 実績
- ・テクノフロンティア2015 「EMC・ノイズ対策技術展」に超低EMIディスプレイシステム「zeroemi®」を出展,2015年5月20日-22日(株式会社テクノサイエンスジャパンのブース)
研究テーマ
超低EMIディスプレイシステムの開発(株式会社テクナートとの共同研究)
- 期間
- 平成23~25年度
- 概要
- 放射電磁界(Electro-Magnetic Interference: EMI)強度をEMI測定系暗ノイズ程度に抑えたスペクトラムアナライザ画面表示用ディスプレイ、および映像伝送系の開発。
研究テーマ
高密度パッケージIC検査ソケットの高周波特性評価手法に関する研究(大西電子株式会社との共同研究)
- 期間
- 平成20年~21年度
- 概要
- 高速動作するIC用検査ソケットの高周波特性評価技術の確立、および評価・解析結果に基く治具構造の改善
- 実績
- ・平成20年度JST(独立行政法人 科学技術振興機構)「重点地域研究開発推進プログラム(地域ニーズ即応型)/高速・高密度パッケージICに対応したIC検査ソケット治具の開発」に採択
研究テーマ
静電気放電(ESD)試験に関する研究
- 期間
- 平成20~23年度
- 概要
- 人体から発生する静電気放電に対する電子機器の耐性を評価する試験は、国際規格IEC61000-4-2等で規格化されている。しかし、現行規格では、ESD試験の方法や試験器メーカあるいは試験器の型式によって試験の合否に再現性が取れない場合も少なくない。そこで、試験の再現性向上のために、現行規格の問題点の抽出およびESD試験器の特性等を評価した。
- 実績
- ・平成20年度JST(独立行政法人 科学技術振興機構)「シーズ発掘試験(A:発掘型)/高信頼性を実現する新規静電気放電試験機の開発に向けた研究」に採択
・“ESDガンの水平結合板への間接放電時に対する試験法の影響”,信学技報,Mar. 2008
・“ESDガンの垂直結合板への間接放電に対する誘導電圧波形の不確定性”,信学技報,Dec. 2008(名工大と共著)
・“水平結合板の間接放電時に対するESD試験法の供試品へ及ぼす影響,”信学会レター,Feb. 2009(名工大と共著)
・「いまさら聞けないEMC ~実は奥が深いESD試験~」,日本HDD協会 技術委員会 ESDコントロール部会 第31回にて講演,Feb. 2009
・“ESDガンの垂直結合板への間接放電に対するプリント回路基板上の配線誘導電圧の不確定性とその低減”,電気学会,Mar. 2010(名工大と共著)